市場(マーケティング)を意識しないと新規事業は成功しない
新規事業を展開するにあたり、課題の第二群は以下のとおりです。
- 販路開拓が難しい
- 新事業展開に必要なコストの負担が大きい
- 市場ニーズの把握が不十分である
- 自社の強みを活かせる事業の見極めが難しい
- 必要な技術・ノウハウの取得・構築が困難
などです。
このうち、「新事業展開に必要なコストの負担が大きい」と「必要な技術・ノウハウの取得・構築が困難」を除くとすべて市場情報の入手が困難なことが課題としてあげられています。いわゆるマーケティングが弱いことが新規事業の展開の課題であるといえるでしょう。モノづくり企業は一般的にマーケティングが弱いことが多いのですが、それは市場の情報を入手することに意識が向いていないからです。
昨年秋に「町工場の女」というドラマがありましたが、なかなか示唆に富んでいます。会社は典型的な下請け型町工場で、女社長は市場の動きに無関心でした。営業をしなくても注文が来たからですね。しかし、リーマンショック時の不況の煽りを受けて注文が全く来なくなり倒産の危機に瀕します。その時、女社長は工場の掃除をしたり、皆でサッカーをしたり、皆一丸で頑張ろう的な動きをしますが、あれでは会社は倒産します。最後は助けてくれる人がいて、海外からの受注が入りなんとか持ち直すのですが、本来なら社長自らが市場の情報をあつめ、売先を開拓しなければなりません。単に得意先を回る程度では不十分なのです。
これらの時代はより一層付加価値の高商品が求められます。単に待ちの姿勢でいる会社はどんどん淘汰されていくでしょう。困った状態になってから動いたのでは遅すぎるのです。調子のいいときから市場の動きを意識して、積極的に情報を集め、今後の世の中の変化をよく考えながら新しい事業に挑戦し、成功させなければなりません。
具体的に何をするかは前述した課題がヒントになります。
すなわち、
- 市場の動きを常に意識しながら、市場で何が求められているか把握し
- 自社の強みを知りつつ、自社の強みが活かせる事業を常に考えながら、
- 必要な技術・ノウハウの取得・構築を図りつつ、
- 新しい商品開発を行なって、販路開拓にチャレンジする
ということです。
まずは、市場がどのように動いているかというマーケテイングを意識することから始めることです。
次のコラムは”目標設定、計画立案、情報の受発信が新規事業の成功の要”