人材の不足が「強み」を活かせない一番の理由
中小企業白書2017年度版によると、新規事業展開に成功していない企業が「自社の強みを活用する上での課題」と考えているものは以下のとおりです。(カッコ内は割合(複数回答))
- 人材が不足している(49.3)
- コストの負担が大きい(30.3)
- 他社との競合により、製品・サービスの差別化ができない(25.6)
- PR活動、ブランド戦略の方法がわからない(16.3)
- 自社の強みをどのように製品・サービスの改善・開発につなげればいいかわからない(11.5)
- 適切な相談相手が見つからない(8.8)
- 自社の強みを活用する市場がわからない(5.3)
上の結果を見ると多くの課題があるように見えますが、結局のところ一番大きな課題である「人材が不足しているです」に全て起因しています。「2.コストの負担が大きい」が多少意味合いが違う印象がありますが、人材がいないために多額の費用をかけて外部に依存しなければならないということでしょうから、これも「人材不足」ということになります。
つまり、「強み」を活かせないのは「強み」を活かせる「人材がいない」ためということになるのですが、実に受身的な意見と言えるでしょう。
つまり、「うちの会社には大きな強みがあってそれを活かせばもっともっと大きな売上、利益を上げることができる」のだが「適切な人材がいないために強みを活かせない」という考えです。
強みの活かし方は目標を立てることから始める
しかし、そのような考え方ではいつまでたっても「強みを活かす」ことにはつながりません。結局、自分でできることが「強み」であり、できることから始めることが「活かす」ことになからです。しかし、その現実を見つめようとせず、うまくいかないのは「人材がいないから」だと他の要因のせいにしているだけでは進歩しません。
強みを活かすためにはできることから一歩一歩進めていくことが大事です。ここで重要なのはしっかりとした目標を立てることです。「強み」を活かせないと考えている会社の多くは目標を立てていません。目標がないからどの方向に進んでいいかわからないし、進んでいないから達成感も生まれないのです。目的がわからないなら進むべき方向性が見えす、結果として「強み」の活かし方がわからない事になるのです。
まずはある程度大きな目標を立て、それに向けて小さな目標を設定してそれを達成することから始めることです。小さな目標を達成すればそれだけで自社の「強みを活かした」ことになるし、リターンは小さいけれど一歩前進できるのです。この小さな一歩を継続し続ける事が「強みを活かし続けること」であり、成功の大きな要因となるのです。