生産性の低い企業はいずれ衰退する
2018年度版中小企業白書のテーマは生産性の向上です。日本は生産性が低いという報道があり、その影響だと思われます。ただ、生産性が低いということは簡単に言えば「儲からない」ということであり、その状態が長く続くと企業は衰退していくと言えるでしょう。
一般的に労働生産性は以下の式で表されます。
労働生産性=付加価値/労働投入量(従業員数×労働時間)
2018年度中小企業白書によると、労働生産性向上のための方法としては以下の方法があげられています。
- 機械設備投資
- IT化投資
- 研究開発投資
- 人材育成
- 業務効率化
- アウトソーシング
上記の方法は、付加価値を上げる取組と労働投入量を下げる取り組みに分けることができます。つまり、付加価値を上げる取り組みは「研究開発投資」および「人材育成」であり、労働投入量を下げる取り組みは、「機械設備投資」、「IT化投資」、「人材育成」、「業務効率化」、「アウロソーシング」であるといえます。
生産性向上に効果が高いのは研究開発
第1-3-16図を見ると、これらの中で最も生産性向上への効果が高かったのが「研究開発投資」でした。(労働生産性向上させた企業の割合と現状維持の企業の割合の差が大きいもの)
研究開発を行い、付加価値の高い商品を開発して利益率を上げることが、単に労働投入量を下げるだけの試みよりも効果が高いということでしょう。
一方で、人材育成もそこそこ効果が高いことが見て取れます。人材育成の内容は企業により様々でしょうが、社員の能力を高めれば無駄なコストダウンに繋がり、また付加価値の向上に繋がる活動が期待できるということでしょう。売上や利益が悪いからといって簡単に人を切るような企業はジリ貧となっていくといえそうです。
生産性の向上は地道な活動の積み重ね
研究開発にせよ人材育成にせよ、「機械設備投資」や「IT化投資」にくらべると時間がかかります。また、取組内容によっては効果が出ない場合もよくあるため、最初にしっかりとした目標を定め、計画的に進めていく必要があります。
生産性の向上は一足飛びに達成できるものではなく、日々の地道な活動を積み重ねることにより到達することができのです。