H02は電力の発電、変換、配電等に係る技術
特許出願の推移(2000年~2015年)で一番多いのがHセクション(電気)でした。その内訳で、一番出願件数が多かったのがH01(基本的電気素子)であり、次いでH04(電気通信技術)、H02(電力の発電等)と続きます。今回はH02(電力の発電等)を詳しく見ていきます。H02(電力の発電等)の詳細な内容は以下の表になります。
H02ではH02J(電力給電等回路装置など)が急伸
H02はH02B~H02Sまで分類されていますが、コンスタントに出願件数が多いのがH02K(発電機、電動機)、H02M(交流-直流等変換装置)です。しかし、2006年頃からH02J(電力給電等回路装置など)が急伸して、2010年には出願件数が一番多くなっています。なお、FI記号のH02JはFタームの5Gの分類と関係しますが、5Gのなかで一番出願件数が多い(2000年~20105年)のは5G503(電池等の充放電回路)という分類です。
このH02Jが急伸しているのは東日本大震災による電力不足が原因かと思いましたが、自身がが発生して電力不足になったのが2011年3月だったので、東日本大震災以前から電力の給電、電力配電、電気エネルギーの蓄積関連は世の中の注目を集めていました。その大きな要因として太陽光発電と次世代自動車(ハイブリッドカー、電気自動車)を挙げることができます。
太陽光発電と次世代自動車事業は順調に成長
H02Jは様々な分野を含んでいますが、大きな割合を占めているのがが太陽光発電と自動車関連です。
住宅用太陽光発電が日本で最初に販売されたのは、1993年です。その後、順調に導入量を増やしていき2015年には累計で2百万件を突破しています。
導入直後には太陽光パネルは非常に高額でしたが、最近ではかなり安くなっています。また、太陽光の変換効率も年々増加しており、変換効率が20%を超える商品も出てきています。
太陽光発電による売電金額は低下傾向を示していますが、より安価で効率のいい太陽光発電が実現すれば導入する量はさらに増加することでしょう。
もう一つ大きな分野が自動車用です。おもにハイブリッドカーや電気自動車向けのバッテリーに関するものです。
世界初の量産ハイブリッド車(プリウス)はトヨタ自動車が1997年から製造・発売を開始しましたが、2017年には世界での累計販売台数が1,000万件を超えています。
電気自動車はハイブリッドほど売れていませんが、それでも年間3万台前後を販売しており、今後の成長が期待されます。
最近ではトヨタ自動車も電気自動車に力を入れており、今後電気自動車の性能向上や価格低下が進めばますます販売数量が増加する可能性があります。
これらの分野はこの分野は前述したようにFタームの5G503(電池等の充放電回路)と関連の深い分野です。この分野についてさらに知りたい場合にはサンプルレポートをご覧ください。