FI記号(Gセクション)の特許情報解析の結果から一番出願が多いのがG06(計算;計数)分野
FI記号による特許出願の推移を見ると、2000年から2015年の総計で最も多いのがGセクション(物理学)でした。僅差でHセクション(電気)が続いています。ただし、Hセクションは2008年にGセクションの出願件数を抜いており、その後2015年に至るまでHセクションの出願件数は一番多くなっています。
Gセクション(物理学)はどの様に分類されているかを見たのが次の表です。GセクションはG01~G16の器械とG21、G99の原子核工学に別れています。ただし、G16とG99はほとんど出願がないため無視することができます。
G01~G16の出願件数と出願推移を見ると図1、図2のようになります。一番出願件数が多いのがG06(計算;計数)であり、次いでG01(測定;試験)になります。次いで、G03(写真;映画)とG02(光学)がほぼ同じような出願数で続いています。
デジタルデータ処理などの分野の低迷がG06(計算;計数)の出願減少に関連している可能性あり
G06(計算;計数)は、2001年以降大きく出願件数を減らし、2009年以降は減少率が落ち着いたものの出願数は減少傾向です。この分野はデジタルデータ処理などの処理やシステム関連が分類されているため、デジタル機器の動向に大きく影響されるようです。日本の電機業界の低迷と関連があるかもしれません。
G01(測定;試験)は、2001年以降漸減していますが、出願件数の落ち方はG06(計算;計数)よりも小さく安定的に推移してい ます。G01(測定;試験)には材料の調査分析や長さや厚さなどの測定などが分類されています。材料や物質を測定・調査することはものを作るうえでの基本的事項であり、世の中の景気の影響をそれほど受けづらいと考えられます。
G02(光学)とG03(写真;映画)は技術分野が似ているため似たような出願傾向になる
G03(写真;映画)とG02(光学)は似たような出願推移を示しています。G03(写真;映画)は写真関連の技術、特に電子写真に関する出願が多く、G02(光学)は光学装置や光の制御が大半を占めています。どちらも光に関連するために似たような傾向になったのかもしれません。
次回から、Gセクションの中で出願件数の多い、G06(計算;計数)、G01(測定;試験)、G03(写真;映画)、G02(光学)について詳しく見ていきたいと思います。
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