Bセクションで一番出願件数が多いのがB60(車両一般)

Bセクションで一番出願件数が多いのがB60(車両一般)です(図1参照)。やはり自動車関連は日本の基幹産業なので発明も多いのでしょう。二番目がB65(運搬;包装;貯蔵;薄板状・線条材料の取扱い)、三番目がB41(印刷;線画機;タイプライター;スタンプ)、そして、四番目がB01(物理的または化学的方法または装置一般)となります。その中でB60(車両一般)は二番目の出願件数の1.6倍ほどあり、ダントツで出願件数が多い分野です。

車両一般というと自動車に関連する技術ですが、エンジンやタイヤ、制御システムなど様々な分野があります。

その中で出願件数が一番多いのがB60R(他に分類されない車両)となっています(図2参照)。「他に分類されない車両」というとその他的な扱いですが、この分野で二番手であるB60K(車両の推進装置)を大きく引き離しています。そのB60R(他に分類されない車両)の中で一番出願が多いのがB60R16/00(電気回路・流体回路で車両に適用されるもの)であり(図3参照)、その中で出願件数が多いのがB60R16/02,620(ワイヤーハーネスに特徴あるもの)となっています(図4参照)。

G60(車両一般)で一番多い発明がワイヤーハーネス関連

ワイヤーハーネス関連としては、他にB60R16/02,621(ワイヤーハーネスのコネクタに関するもの)、B60R16/02, 622(ワイヤーハーネスのグロメットに関するもの)、B60R16/02, 623(ワイヤーハーネスのクランプまたはプロテクタに関するもの)などがあり、B60R16/02,621~623はB60R16/02,620に含まれる下位の分類となります。

このようにしてみるとワイヤーハーネス関連の技術はかなりの出願件数であり、熱心に研究がされていることがわかります。

ワイヤーハーネスにどのような種類があるか詳しく見ると、「ドアに配線したワイヤーハーネス」と「フロアに配線したワイヤーハーネス」の割合が高いことがわかります(図5参照)。車の一部ではなく車全体に配設したワイヤーハーネスについての研究がされていることが示唆されます。

さらに、出願人を見ると住友電装、矢崎総業、住友電工の順に出願件数(2007~2016年)が多いことがわかります。ワイヤーハーネスの市場(2016年の自動車部品)は矢崎総業がトップで約50%、第2位が住友電気工業で約30%、第3位が古河電気工業で約10%、続いてフジクラ、リアコーポレーション、ASTIが各数%であるとされています(http://wireharness.jp/より)。そうすると、住友電装は矢崎総業や住友電工とは異なる分野でのワイヤーハーネスである可能性があります。

ワイヤーハーネスは中国において大幅な伸びが予想

また、ワイヤーハーネスの世界市場は増加傾向であり、特に自動車大国である中国において大幅な伸びが予想されています。

市場情報では、自動車産業用のワイヤーハーネス市場規模は世界全体で約5兆7000億円程度で、そのうち日本市場は約7200億円、中国市場は約1兆2000億円、NAFTA(アメリカ合衆国、カナダ、メキシコ)が約1兆4000億円、EU市場は約1兆4000億円程度となっています。世界全体として自動車の車両への電装品搭載数量は機能拡充に伴い増加しており、電装品同士を繋ぐ役割を持つワイヤーハーネスの搭載量も増加する傾向にあります。一方、自動車は燃費向上のため重量を低減した設計が求められているためワイヤーハーネスには軽量化が求められます(http://wireharness.jp/より)。

ワイヤーハーネスは古くからある技術ですが今後とも自動車の機能向上に従ってワイヤーハーネスも進化していくことが予想されます。

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