2007~2016年の10年間で、一番出願件数が多いのがH01L(半導体装置等)

2007~2016年の10年間で、一番出願件数が多いのがH01L(半導体装置等)です(図1参照)。半導体を製造事業はかなりの割合が日本から海外に移転してしまいましたが、半導体製造装置は未だに日本が強いことが伺えます。

H01L(半導体装置等)を詳細に見てみると、圧倒的にH01L21/00(半導体装置等の製造)の出願件数が多いことがわかります。(図2参照)。また、H01L21/00(半導体装置等の製造)をより詳しく見てみると、ほとんどの出願がH01L21/02(半導体装置・固体装置 )であることがわかります(図3参照)。このことからも、半導体製造装置はまだまだ開発余地のある分野であると言えそうです。

ここで、2000年~2016年までのH01L21/02の出願件数の推移を見てみました(図4参照)。図より明らかなように、2000年には出願件数が14,000件近くあったのに2016年には5,000件ていどまで急減しています。2000年ころはまだまだ日本の半導体の製造事業も強く、日本製半導体の世界に占めるシェアも高かったため半導体製造関連の出願が多かったことが伺えます。その後、半導体製造に関する技術が成熟してきたせいか特許出願件数が減少してきたようです。

ただし、この分野は依然として数が多いため、2016年の H01L21/02における出願人を見てみました(図5参照)。図5より、全体の約四分の一を占めるのが、東京エレクトロンです。東京エレクトロンは日本においてこの分野ではガリバーであり、出願件数が多いこともうなずけます。そして、二位がディスコ、賛意がSCREENという順となっています。

 

今後の市場予測として、半導体及びFPD製造装置の予測(日本製装置販売高予測)を見てみました。そうすると、2009年のリーマン・ショック時の低迷を除くと、ほぼ右肩上がりに半導体製造装置の売上が伸びていることがわかります(図6参照)。半導体は電子機器のみならず、自動車、家電、設備装置などに幅広く使用されており、今後人工知能の発達とともにさらに成長が期待される分野と言えそうです。

 

そして、地域別に見る半導体市場の変遷をみると(図7参照)、やはりアジアにおける伸びが非常に大きくなっています。大きな要因としては中国での半導体市場の飛躍でしょうが、今後はインドや東南アジアなどでの成長も期待することができ、アジアはますます重要な市場となりそうです。

最後に、世界的な半導体製造メーカーの売上シェアを見てみました(図8参照)。アプライドマテリアルやASMLなどの欧米の企業が強いのですが、東京エレクトロンが4位に入っています。SCREENが5位、アドバンテストが6位、日立ハイテクノロジーが9位、日立化成が10位と5社の日本企業がTOP10に入っています。

図5に示した2016年の特許出願人は東京エレクトロン、ディスコ、SCREEN、キャノン、富士電機の順番だったので、図8に示した順番とはやや異なりますが、売上シェアの多い企業は特許出願件数も多い傾向にあると言えそうです。

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