中小企業では人手不足が深刻化している
2018年度版中小企業白書の第2部では「深刻化する人手不足」について記載されています。白書では「景気が良くなって中小企業では人手不足が深刻化しているので、助成とシニアを活用すべき」といったニュアンスでの記載となっています。女性とシニアは就業が厳しいので一石二鳥だ、といった感じですね。でもこの見方はあまりにもご都合主義と言えるでしょう。
人手不足はミスマッチが最大の原因
女性とシニアは就業が厳しい理由として、「自分の技術や技能が求人要件に満たない」「希望する種類・内容の仕事がない」という項目が多く見られます。つまり、人手不足だけれど会社が求める能力が不足しているために就職できない状態だということのようです。
現在の日本では単純作業で良いという職種は少なく、ある程度高度なことが求められる場合が多いのでしょう。特に熟練技術や専門知識、IT技術などが必要であるのに十分な能力を持った人材がいないのです。
したがって、白書で述べているように余っている人々(女性やシニア)を活用すればいいというだけでは人材不足は補えません。また、よく議論となる外国人労働者を日本で働かせようというのも有効な解決手段とならないでしょう。
人手不足解消の基本的な方法
必要な専門知識や能力を持った人材を育成するには教育訓練以外にありません。時間と手間がかかりますが、教育により知識と専門性を身に着け、そして現場で経験を積むことにより高い能力を身につけることができるのです。
意識が高い人であれば自己啓発などで知識を身につけることは可能です。問題はいかに経験を積むかですが、未経験者でも経験を積ませてくれる短期就労のマッチングが求めれらていることのように感じます。
日本では長期雇用に重点を置きがちですが、短期の就労を支援することが人材の育成と人材不足解消に貢献すると思えます。