FI記号で五番目に出願件数が多いのがG02B(光学要素,光学系,または光学装置)
2007~2016年の10年間で、FI記号で五番目に出願件数が多いのがG02B(光学要素,光学系,または光学装置)です(図1参照)。G02Bは光学要素,光学系,または光学装置ということですが、たとえば光学的距離計、光学系または光学装置の試験、眼鏡、写真を撮影の装置、音響レンズなど多岐にわたります。
G02B(光学要素,光学系,または光学装置)を詳細に見てみると、圧倒的にG02B5/00 (レンズ以外の光学要素)の出願件数が多いことがわかります。(図2参照)。レンズ以外というと電子およびイオン”光学”やマイクロ波”光学、光学要素とテレビジョン受像機の組み合わせなどがあります。
G02B5/00 (レンズ以外の光学要素)をより詳しく見てみると、G02B5/30 (偏光要素)がG02B5/20(フィルター)よりも若干多いことがわかります(図3参照)。どちらもレンズを用いない光学要素です。
G02B5/30 の2000~2016年における出願は2009年に急減するがその後漸増
ここで、2000年~2016年までのG02B5/30の出願件数の推移を見てみました(図4参照)。図より明らかなように、2005年に急に出願件数が増加し、2009年には急減しますが、2005年~2008年までの期間を除けば概ね横ばいで推移しています。また、2014年以降は漸増しており、注目度の高い分野であると言えそうです。
2016年のG02B5/30に関する出願人は住友化学、日東電工、富士フィルムの順
この分野は出願数が多いため、2016年のみのG02B5/30における出願人を見てみました(図5参照)。図5より、出願件数が一番多かったのが住友化学でした。ついで、日東電工、富士フィルムの順に続きます。化学メーカーやフィルムメーカーが出願人上位を占めていることがわかります。
この分野における用途と目的を見ると(図6参照)、用途としては液晶表示が一番多いことがわかります。次いでEL関連の発明が多くなっています。目的としては、コスト低減、特性均一化、耐熱性などが上位に来るようです。
今後液晶(TFT)は減少傾向だが、有機EL(AMOLED)は増加が見込まれる
図7よりディスプレイ市場をみると液晶関連は減少傾向ですが、EL関連は増加が見込まれています。スマホでも液晶にかわって有機ELディスプレイが多く採用されていますが、今後は有機EL表示が主流になるかもしれません。ちなみに、EL関連分野だけ取り出して出願人を見てみると(図8参照)、日東電工、住友化学、コニカミノルタ、富士フィルムの順番でした。G02B5/30 (偏光要素)全体の出願人の経口とは若干異なっており、EL表示に力を入れている会社がわかります。また、この分野における出願人と目的のマトリクス図(図9参照)を見ると、目的としてはコスト低減、特性均一化、視野拡大などが上位に来ています。ただし、会社によって力を入れている目的が異なっており、企業毎の特色が見て取れます。